2025/02/20

春に聴きたい!春生まれの作曲家による春にまつわる音楽3選
アートライブラリー スタッフのオススメ

愛知芸術文化センター1階にあるアート専門の図書館アートライブラリーをご存じですか?美術・音楽・演劇などの芸術に関する図書や、展覧会カタログ・楽譜・雑誌などの文献資料のほか、クラシック音楽を中心としたCDや映像資料なども広範囲に収集しています。一般の方にご利用いただけるよう、すべての資料を公開し、一部(図書・楽譜)は貸出もOKです。

 

検索サービスで資料を探すことができます。原則として、新着資料などのデータを毎月更新。

 

「アート初心者から愛好者や専門家まで世代を問わず、もっとたくさんの人たちにアートライブラリーのことを知っていただき、もっと気軽にアートを楽しんでほしい」という思いを込めて、季節やテーマに合わせたオススメをご紹介する人気シリーズ。今回は春ということで、春(3〜5月)生まれのクラシック作曲家をご紹介します。

春生まれのクラシック作曲家ってこんなにもいるんです。

  • 3月:ショパン、スメタナ、ヴィヴァルディ、ヴィラ=ロボス、ラヴェル、C.P.E.バッハ、サラサーテ、オネゲル、ヴォルフ、テレマン、J. シュトラウスⅠ世、リムスキー=コルサコフ、J.S.バッハ、ムソルグスキー、バルトーク、ハイドン など
  • 4月:ラフマニノフ、プロコフィエフ、レハール など
  • 5月:ブラームス、チャイコフスキー、フォーレ、モンテヴェルディ、サティ、ワーグナー、アルベニス など

※誕生日順

春生まれの作曲家による、春にまつわる著名な曲が収録されたCDを集めました。

 

春に聴きたい!春生まれの作曲家による春にまつわる音楽3選

1 アントニオ・ヴィヴァルディ:四季 ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 《春》 Op.8 No.1 RV.269(1723〜25頃) (「エイト・シーズンズ」収録)
【CD】

(アントニオ・ヴィヴァルディ/作曲、ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)、クレメラータ・バルティカ(演奏)、ワーナー・ミュージック・ジャパン(ノンサッチ)、2000年)

1つ目は、バロックを代表する作曲家の一人、アントニオ・ヴィヴァルディの音楽。本アルバムは、ラトビア生まれのヴァイオリニスト・ギドン・クレーメルと、彼が創設した室内オーケストラであるクレメラータ・バルティカによる、異なる作曲家による2種類の「四季」を季節ごとに交互に収録したものです。ヴィヴァルディ作曲の「四季」と対をなすのは、「リベルタンゴ」などで有名なアルゼンチンの音楽家・アストル・ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」。北半球と南半球、クラシックとタンゴといった、さまざまな点で対照的な2曲が絡み合い、色とりどりの風景を見せてくれます。ヴィヴァルディ作曲の「春」は、春の訪れを喜ぶ明るい曲調で、第一楽章で繰り返される主題のフレーズが印象的な名曲。クレーメル版は、第一楽章の「小鳥の鳴き声」を表すパートがゆったりと取られており、現実の小鳥の鳴き声に近い印象を受けます。
(資料ID:9310173379)

 

 

2 ヨハン・シュトラウスⅠ世:ラデツキー行進曲 作品228(1848) (『ニューイヤー・コンサート2021』収録)
【CD】

(J・シュトラウスⅠ世/作曲、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/編曲、リッカルド・ムーティ(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(演奏)、ソニー・ミュージックレーベルズ、2021年 品番:SICC2221~2222)

2つ目は、ウィンナ・ワルツの創始者とも称されるヨハン・シュトラウスⅠ世の音楽。ウィーンでは、毎年1月1日にウィーン楽友協会大ホールにて、ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートが開催されます。本アルバムは、イタリア人指揮者であるリッカルド・ムーティが通算6度目の指揮者を務めた2021年のニューイヤー・コンサートの演奏を収録。楽曲「ラデツキー行進曲」は、1848年革命の際に活躍したラデツキー将軍の功績を称えてヨハンが作曲したものです。ニューイヤー・コンサートでは、アンコールのラストの曲として定番であり、観客の手拍子までも指揮する演出が恒例となっています。ムーティによる2021年版は、誠実かつ爽やかな気品溢れる演奏が特徴的です。アートライブラリーでは、過去のニューイヤー・コンサートのCDを多数所蔵しています。ムーティ版も2004年版、1997年版など所蔵がありますので、ぜひ聴き比べてみてください。

(資料ID:9310211021)
CD情報
『ニューイヤー・コンサート2021』
(J. シュトラウスⅠ世、J.シュトラウス2世、ヨーゼフ・シュトラウス、スッペ、ツェラー、ミレッカー、コムザーク2世/作曲、リッカルド・ムーティ(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(演奏)、ソニー・ミュージックレーベルズ、2021年)
品番:SICC2221~2222

 

 

3 ヨハネス・ブラームス:《16のワルツ》Op.39より第15番 変イ長調(別名:「愛のワルツ」)(1865) (「ブラームス:ピアノ曲全集」収録)
【CD】

(ヨハネス・ブラームス/作曲、ジュリアス・カッチェン(ピアノ)、ポリドール(ロンドン、コレクターズ・デッカ)、1990年、p1964-6※)
※p=著作権表示年/著作権登録年記

3つ目は、「ハンガリー舞曲」などで有名なドイツの作曲家・ヨハネス・ブラームスの音楽。本アルバムは、アメリカ合衆国生まれのピアニスト・ジュリアス・カッチェンの演奏を録音したものです。ブラームス作曲のピアノ曲が全曲収録されていて、満足度の高いアルバムとなっています。「16のワルツ」の中でも第15番は、「愛のワルツ」とも呼ばれ、夢の中を歩いているかのような優雅な旋律から人気の高い一曲。「16のワルツ」には、ピアノ連弾用、ピアノ独奏用、ピアノ独奏用(簡易版)、2台ピアノ用の4種類の楽譜が存在していて、カッチェンはピアノ独奏用の楽譜で演奏しています。そんなカッチェン版の第15番は、繊細かつ温かい表情を見せてくれる癒しの演奏が魅力的。CDを聴きながら、束の間の幸せを感じてみてはいかがでしょうか。
(資料ID:9310032414)

 

 

私がオススメ!

愛知芸術文化センター管理課

アートライブラリー担当

三上 昂良

 

アートライブラリーで扱うのは図書だけではありません。バラエティ豊かなラインナップで、たくさんの出会いが魅力的です。今回は「春生まれの作曲家」という親近感がわく切り口で、新しい音楽との出会いをご紹介しました。CD・レコードはオーディオコーナー(無料)でごゆっくり満喫してください。

※CD・レコードの館外貸出は行っておりません。

 

アートライブラリー

 

場所/愛知芸術文化センター1階

時間/10:00〜19:00※土・日・祝〜18:00

休館日/毎週月曜日、毎月第3火曜日(祝日または振替休日の場合は開館、その翌平日に休館)

年末年始(12月28日から翌年1月3日まで)

整理期間(年間15日以内 ※例年3月)

資料検索(PC版)

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詳細はこちら

 

撮影/千葉亜津子(施設)

編集/村瀬実希(MAISONETTE Inc.)

※ 掲載内容は2025年2月20日(木)現在のものです。

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