愛知芸術文化センター1階にあるアート専門の図書館、アートライブラリーをご存じですか？美術・音楽・演劇などの芸術に関する図書や、展覧会カタログ・楽譜・雑誌などの文献資料のほか、クラシック音楽を中心としたCDや映像資料なども広範囲に収集しています。一般の方にご利用いただけるよう、すべての資料を公開し、一部（図書・楽譜）は貸出もOKです。

検索サービスで資料を探すことができます。原則として、新着資料などのデータを毎月更新。

「アート初心者から愛好者や専門家まで世代を問わず、もっとたくさんの人たちにアートライブラリーのことを知っていただき、もっと気軽にアートを楽しんでほしい」という思いを込めて、季節やテーマに合わせたオススメをご紹介する人気シリーズ。
アートライブラリーには、絵本も置いてあることをご存じですか？美術、音楽、演劇…などなど。アートのさまざまなジャンルを、絵本でも楽しむことができちゃうんです！今回は、アートライブラリーに所蔵のある絵本の中から、オススメの3作をご紹介します！

アートにまつわる絵本3選

1　『はじまるよ（0.1.2.えほん）』 【書籍】

（熊谷守一／絵、ぱくきょんみ／文、福音館書店、2017.11）

1つ目は、代表作『猫』で知られる画家・熊谷守一の作品を使用した絵本。本書籍は、熊谷の作品11点に、詩人・ぱくきょんみの温かく優しい文章を添えて絵本にしたもの。福音館書店の「0.1.2.えほん」シリーズの一冊にあたり、10か月以降～2歳頃の赤ちゃんを中心に、子どもから大人まで、幅広い年齢層が楽しむことができる作品です。最大の特徴は、実在の画家の既存の絵画を使用し構成された絵本であるというところ。一冊を通して名もなき一日を描いているほか、子どもに身近な生物も多く登場。熊谷のシンプルながらも親しみやすく鮮やかな絵が想像力を掻き立て、心を温かくしてくれます。絵本には、愛知県美術館に木村定三コレクションとして所蔵のある3点も収録。実際に作品を見たあとで絵本を読んでみると、また違う解釈に触れることができるかもしれません。
（資料ID：9110571657）

2　『おんがくえほん　こっけん』 【書籍】

（樹原涼子／曲、五味太郎／絵、音楽之友社、2024.11）

2つ目は、シリーズ累計発行部数200万部を超えるピアノメソッド本『ピアノランド』シリーズの著者として有名な、作曲家・ピアニストの樹原涼子が作曲を担当した音楽絵本。音楽絵本には、さまざまな種類がありますが、本書籍は、実際に楽器（ピアノ）を使用し、掲載されている曲を演奏し音楽を楽しめるのも魅力です。ピアノの黒鍵を使用した遊びというテーマのもと、書き下ろしを含む全12曲を収録。五味太郎の抽象的かつ可愛らしい絵も合わさって、絵本を読みながら、優しくきらきらとした黒鍵の世界で遊ぶことができます。遊びの延長上にあるような曲から、音楽性が求められる難しいもの、思わず笑ってしまう『ねこふんじゃった』のパロディーまで、収録曲はさまざま。ぜひ子どもと一緒に演奏したい、楽しい一冊です。
（資料ID：9110638012）

3『ゴッホの絵本　うずまきぐるぐる　（小学館あーとぶっく1）』 【書籍】

（結城昌子／構成・文、小学館、2015.4初版第32刷）

3つ目は、ポスト印象派を代表する画家・ゴッホの作品に焦点を当てた画集絵本。本書籍は、アートディレクターでエッセイストの結城昌子が、ゴッホの数ある代表作の中から、渦を巻く表現を有する作品を中心に、10作以上を取り上げ、絵本として構成したもの。各作品についての背景解説や解釈がそのまま絵本のセリフとなっており、「ぐるぐる」、「どきどき」といった繰り返される擬音も独特のリズムを作り出していて、楽しく読むことができます。巻末にはゴッホの生涯についても紹介されています。ゴッホの名画と一緒に遊びながら、ゴッホの心の内に触れたり、アートに対する感性を養ったりすることができる一冊です。
また、同書籍は、「小学館あーとぶっく」シリーズの1作目にあたり、同シリーズでは、マティス、ミロ、ピカソといった他の有名な画家・美術家も取り上げられています。アートライブラリーには同シリーズ作品を全巻所蔵しています。ぜひ、あわせてご覧になってみてください。
（資料ID：91104543910）

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撮影／千葉亜津子（施設）

編集／村瀬実希（MAISONETTE Inc.）

※ 掲載内容は2025年12月10日（水）現在のものです。