2024/10/02
アートライブラリーのスタッフが選ぶ、
食欲の秋!スイーツにまつわる音楽3選
愛知芸術文化センター1階にあるアート専門の図書館、アートライブラリーをご存じですか?美術・音楽・演劇などの芸術に関する図書や、展覧会カタログ・楽譜・雑誌などの文献資料のほか、クラシック音楽を中心としたCDや映像資料なども広範囲に収集しています。一般の方にご利用いただけるよう、すべての資料を公開し、一部(図書・楽譜)は貸出もOKです。
「アート初心者から愛好者や専門家まで世代を問わず、もっとたくさんの人たちにアートライブラリーのことを知っていただき、もっと気軽にアートを楽しんでほしい」という思いを込めて、季節やテーマに合わせたオススメをご紹介する人気シリーズ。待ちに待った食欲の秋!ということで、みんなが大好きな「スイーツ」を入り口にして、音楽に触れてみませんか♪
食欲の秋!スイーツにまつわる音楽3選
- 目次 -
1 湯山昭:終曲「お菓子の行進曲」(1973)
【楽譜】
1つ目は、童謡「あめふりくまのこ」の作曲でも知られる作曲家、湯山昭の音楽。本曲集は、子どもにも馴染みやすい「お菓子」を主題に、26の曲をまとめたもの。湯山の代表作として、50年以上、子どもたちをはじめ多くの人に愛されてきた曲集です。『終曲「お菓子の行進曲」』は、間奏曲を除く本曲集に出てきたすべての曲が代わる代わる登場する、弾いても聴いても楽しい曲。まるでミュージカルのカーテンコールで登場人物が一人ひとり挨拶しているかのよう。アートライブラリーには同作品の演奏が収録されたCD(資料ID:9310152430)もありますので、ぜひ合わせてお楽しみください。
(資料ID:9220036129)
2 アンドレ・プレヴィン:チョコレート・アプリコット(1980)
【LPレコード】
2つ目は、クラシック、ジャズ、映画音楽など多くのジャンルにわたって活躍した音楽家アンドレ・プレヴィンの音楽。本アルバムは、20世紀後半における最も偉大なヴァイオリニストと称されるイツァーク・パールマンから提案を受けて、プレヴィンが全曲書き下ろしたもの。クラシックとジャズの要素が混ざり合った、まさに“メルティング”な作品です。楽曲『チョコレート・アプリコット』は、日本版のアルバムタイトル曲となっており、美しくもどこかかげりも感じる一曲。ヴァイオリンが主題(テーマ)を上品に甘く奏でたかと思えば、万華鏡のように次々と色が変化してゆくブリッジを通ったり、ピアノとギターは即興演奏で可憐さを垣間見せたりと、聴きどころが盛りだくさんです。アートライブラリーのオーディオコーナーでは、実際にレコードを聴くこともできます!
(資料ID:9320014572)
3 ダリウス・ミヨー:歌曲《キャラメル・ムー(柔らかいキャラメル)》 Op.68(ヴォーカル、ドラムスとピアノのためのシミー・ムーヴメント)(1920)
【CD】
3つ目は、フランスの作曲家として知られるプーランク、オネゲルらとともに「フランス6人組」の一人として数えられる作曲家ダリウス・ミヨーの音楽。『キャラメル・ムー』は、フランスの芸術家ジャン・コクトーの詩に曲をつけた歌曲。1920年代に流行したジャズダンス・シミーの形式で書かれていて、歌曲とポップスの中間のようなノリの良い曲です。本アルバムは、当時パリで人気だったブラッスリー「ル・ブッフ・シュル・ル・トワ(以下、「ル・ブッフ」)」でピアノを弾いていたフランスの音楽家ジャン・ヴィエネールや、ヴィエネールとともにピアノデュオとして活躍したベルギーのピアニストのクレマン・ドゥーセの楽曲を中心に、フランスのピアニストのアレクサンドル・タローが構成したもの。ジャズダンスに接点を持った楽曲が多く、全曲1920年代に作曲されたものとなっています。『キャラメル・ムー』は、そんな「ル・ブッフ」をテーマに作曲された曲。実は、詩を書いたコクトーもまた、「ル・ブッフ」に集っていた一人なのです。
(資料ID:9310201384)
私がオススメ!
愛知芸術文化センター管理課
アートライブラリー担当
三上 昂良
アートライブラリーで扱うのは図書だけではありません。バラエティ豊かなラインナップで、たくさんの出会いが魅力的です。今回「スイーツ」をテーマに選んだ音楽はジャンルも曲調もいろいろあり、聴くも良し、演奏するも良しです。CD・レコードはオーディオコーナー(無料)でごゆっくり満喫してください。
※CD・レコードの館外貸出は行っておりません。
アートライブラリー
場所/愛知芸術文化センター1階
時間/10:00〜19:00※土・日・祝〜18:00
休館日/毎週月曜日、毎月第3火曜日(祝日または振替休日の場合は開館、その翌平日に休館)
年末年始(12月28日から翌年1月3日まで)
整理期間(年間15日以内 ※例年3月)