2026/02/22
ヤマハ最高峰のピアノ「CFX」が愛知県芸術劇場コンサートホールにやってくる
みなさんはピアノのコンサートに足を運ばれたことはありますか。ピアノはコンサートホールはもちろん、学校や街中、家庭などで聴く機会のある身近な楽器ですね。18世紀にイタリアで生まれた鍵盤楽器で、張られた弦を響かせる弦楽器とそれをハンマーで打つ打楽器の面を合わせ持った特徴があります。

そんなピアノですが、愛知県芸術劇場には合計何台あるかご存じですか。正解は21台(2026年2月現在)。メーカーはスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハなど演奏者の期待に応えられるよう様々なピアノをご用意しています。

左奥からスタインウェイ D274・フルコンサート、ヤマハ CF-Ⅲ・フルコンサート、ベーゼンドルファー インペリアル290、ヤマハ CF-ⅢS・フルコンサート、スタインウェイ D274・フルコンサート
今回は愛知県芸術劇場コンサートホールに新たに導入されることになったヤマハ最高峰のピアノ「CFX」を複数台から選定する様子をレポートします。「CFX」は“私と響き合う。”を製品のコンセプトに掲げ「演奏者がピアノと一体となり、意のままに謳(うた)い奏でる」ことのできるピアノを目指したモデルです。
当劇場へのフルコンサートピアノの導入は約18年ぶり。どのような場所で選ばれるのか、さっそく行ってみましょう!

ヤマハハーモニープラザ 外観
「CFX」の選定の場所は、静岡県掛川市にあるヤマハ ハーモニープラザ。

ヤマハハーモニープラザ ショールーム
ピアノ工場見学にお越しになる方々をお迎えする「ヤマハ掛川工場」の玄関となる施設です。工場見学の受付だけでなく、併設するショールームに貴重な楽器の展示やお試しいただける楽器も用意されています。

選定はこちらの施設内のホールで行います。普段は選定室で行われますが、今回はコンサートホール用のピアノの音の響きなどを測定・確認するため、関係者しか入れないこちらのホールで特別に実施。音がしっかりと響く設計で立派なホールです。
では、さっそく選定に移りましょう。今回、劇場からCFXの選定は、ピアニストの中川賢一さんにお願いしました。

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中川さんは、クラシックから現代音楽、ポップスなど幅広い演奏活動をされているピアニストです。全国の公共ホールでコンサート、アウトリーチ、ワークショップなども行い、文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくりを目的とする財団「地域創造」の公共ホール音楽活性化事業の登録アーティストとして、ホールについての知見・経験も豊富です。そして、当劇場の数々の自主事業にもこれまで携わっていただいています。
中川さん、今まさにどのようなお気持ちですか。

中川「今日はよろしくお願いします。なかなかこのような場に訪れる機会も一生のうちに限られていると思うので、気合が入りますね。今後、劇場で長く、多くのピアニストたちに様々な曲を弾いていただくわけですから、心して臨みたいと思います」
武市「ヤマハ株式会社の武市です。中川さん、本日はよろしくお願いします。CFXは全てのパーツを巧みに合わせ一体化させたボディで、込めた力をロスなく音に変えることで、演奏する人の全部の思いを受け止めて、応えられるようにしています。外観では楽器としてのシンプルな美しさを追求しています」
今回の選定は、ご用意いただいた「CFX」3台から当劇場コンサートホールに新たに導入されるピアノを選ばせていただきます。ピアノは同じ品番のものでも、それぞれが持つ個性(音色等)があります。
中川さん、並んだ「CFX」を目の前にされていかがですか。
中川「今日ご準備いただいたピアノは、どの型も良品ばかりかと思いますが、このたたずまいも良いですね」
武市「CFXのカラーは“漆黒”なんです。熟練した職人が時間と手間をかけて研磨することでこの深みが出ます。現行CFXは2022年発売で、2010年発売の初代CFXの次世代モデルとして約12年の歳月をかけて開発されました。ちなみにCFXの“X”は、大きな飛躍と可能性を意味しています」
中川「素晴らしいですね。CFXは公共ホールをはじめ、いろんな場所で弾いてきましたが、愛知県芸術劇場コンサートホールは特に音楽専門の大きいホールなので、お客さまみなさんにも喜んでもらえる選定になるよう頑張りたいと思います」
No1,2,3のうち選ばれるピアノとは果たして!?
ヤマハのスタッフのみなさんが見守る中、さっそく選定がスタート。

ピアノソナタ第12番 ヘ長調 K.332 Adagio(モーツァルト)、ピアノソナタ 第8番 ハ短調 作品13 「悲愴」 II. Adagio cantabile(ベートーヴェン)、雨の樹素描II(武満 徹)など、バロックから、近現代まで幅広い曲を次々と演奏する中川さん。

音の違い、響きを一つひとつ、確実に確認していきます。

愛知県芸術劇場は日本を代表するホールのひとつとして、はじめての方から音楽愛好家のお客さままで、多くの方が来場されます。アーティストとお客様の気持ちを思いながら、音の確認は続きます。


最後は「Time Sequence」(一柳 慧)を弾いて終了。
さぁ、中川さん、選ばれるのはどちらのピアノですか!?


おー!選ばれたポイントを教えていただけますか。
中川「弾かせていただいて感じたのは、3台ともめちゃくちゃ良い楽器です。素晴らしかったです。バロックから近代までの王道のクラシックの曲はもちろん、現代音楽も混ぜつつ、ジャズ、フュージョンのことも考えて弾いていました。でも実は、はじめに弾いたときに、これかなと思いました。ただ、一応いろんな種類を弾いてみて決めました」
なるほど!他の2台と異なると感じたポイントも教えてください。

中川「No.3は文句なくバランスが良いですね。ホールでどのように使われるか、いろんなピアニストやタッチのことををずーっと考えながら弾いていました。それで考えると間違いなくこちらのNo.3一択です」
中川「ほかの2台は、全体的に音が明るかったです。No.2はパワーもあって、華やかで音も良いのですが、重みより華やかさが先に来る感じでしょうか。ジャズや音をパリッとさせたいならNo.2!ただ、ジャンルはちょっと限られるかなと思いました。また、音を一番飛ばすということを考えると、No.2になります」
中川「そして、ホールではなく部屋の中であればNo.1です。ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン、シューマンにはうってつけで、深い音を出すのであれば、こちらの方が適しています。これらと比べて、No.3はしっとり感があるので、クラシカルな曲を演奏して、音が出た後にコクもしっかり出ています。音量もあって華やかさもあるNo.3が総合的に適しています」


中川「でも、重ねて言いますが、どのピアノも素晴らしい楽器です。さすがですねヤマハさん。ありえないくらい繊細です。今日、選ばなかったピアノも含めてCFXは演奏家たちに喜んでいただける楽器だと思います」

武市「中川さん、ありがとうございます」
中川「違いがあるのはびっくりでした。こんなにも新しいピアノで異なるものなんですね」
武市「基本的性能は同じですが、個性を感じていただけて良かったです」
中川「弾けば弾くほど面白いですね。こちらは、コンサートホールの響きを確かめるのに素晴らしい場所ですね」
中川さん、本日はおつかれさまでした!選定いただいた「CFX」は、県民のみなさまをはじめ、多くのアーティストとお客さまから愛されるよう大切にしていきます。
中川「他のヤマハさんのモデルと比べても、とにかくバランスがめちゃくちゃ良いです。アクションから音質、全体的に華やかな印象を受けます。安心して演奏できますね。特に、アクションは完璧です。0コンマの違いを感じます。国産のもので、教育等にも力をいれられているので、技術さんも素晴らしいです」

ピアノ生産部の技術者の皆さん
中川さん、本日はありがとうございました。今後コンサートホールでピアノを使される方にメッセージをお願いします。

中川「コク・深みのある音色なので、これぞクラシック!という曲を演奏される時は、ぜひCFXを使っていただきたいですね。深みがあるということはクラシックではとても重要ですよね。
音が鳴るという外面的なことも重要ですが、この楽器は弾くことによって、何百年も前に我々をタイムスリップさせてくれます。
音を弾いたときに音のイメージ、香りや情景が浮かぶ楽器とそうでない楽器があると思うんですけど、CFXは弾いた時に何百年前に書かれた曲をすごく鮮明にはっきり描きます。なので、ぜひ弾く機会があればCFXを選択してみてはいかがでしょうか」
今後「CFX」は調整を行い、2026年3月7日に開催の「ピアノ・ツィルクス~5台ピアノの世界 in 愛知県芸術劇場」から当劇場コンサートホールにデビューの予定です。
こちらのコンサートには、選定いただいた中川さんも出演されます。どうぞお楽しみに。

2026年3月7日(土)開催
ピアノ・ツィルクス~5台ピアノの世界 in 愛知県芸術劇場
場所/愛知県芸術劇場 コンサートホール(愛知芸術文化センター4階)
時間/15:00〜
料金/全席指定
一般 4,800円(U25 2,500円)
チケット/発売中
※ U25は公演日に25歳以下対象(要証明書)。
※ 未就学児入場不可。託児サービスあり(有料・要予約)。
詳しくはこちら
取材・聞き手/愛知県芸術劇場
※ 掲載内容は2026年2月22日(日)現在のものです。








