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夏にオススメの音楽&戯曲3選

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夏にオススメの音楽&戯曲3選

- 目次 -

1　C. ドビュッシー：《夢》（1890）
（『ドビュッシー／ピアノ作品全集』収録）
（C. ドビュッシー／作曲、A. チッコリーニ／演奏、EMI CLASSICS、1992年）

1つ目は夢の中にいるようなドビュッシー作曲の音楽。うとうとしていると、いつの間にか現れてはまたふいに消えていく。どこか輪郭がはっきりせず、無秩序なこともある。ドビュッシーの《夢》は、そんな夏休みに一度は見たような、幻影の夢を想起させる名曲です。チッコリーニ版は、芯のある音でありつつも時折繊細な表情を見せる演奏で、夢に潜む危うさを表現しているように感じられ魅力的。夏の都会の気だるさにも似合う曲調なので、この曲を聴きながら物思いにふけるのもまたオススメです。
（資料コード：9310063715）

2　八木澤教司（さとし）：「ペルセウス」～大空を翔る英雄の戦い～（京都府立桃山高等学校吹奏楽部委嘱作品）（2005）
（『八木澤教司／ペルセウス』収録）
（八木澤教司／作曲、指揮、名古屋ウィンドシンフォニー／演奏、高田亮／マリンバ、ワコーレコード）

2つ目は、オーパーツシリーズ（「聖徳太子の地球儀」～斑鳩寺に鎖された記憶～」など）に代表されるように、壮大かつスペクタクルな作風を得意とする八木澤教司作曲の音楽。ギリシャ神話のペルセウスの物語を描いた壮大な楽曲です。八木澤特有の緩―急―緩の曲構成の中に、ペルセウスの出陣を思わせる力強いファンファーレ、戦いを想像させる速く熾烈な中間部、戦いの後の安堵溢れる美しいメロディーなど、聴きどころが盛りだくさん。CDを聴きながらペルセウス座に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

（資料コード：9310195106）

3　「銀河鉄道の夜のような夜」
（『小林賢太郎戯曲集 STUDY ALICE TEXT』収録）
（小林賢太郎／著、幻冬舎、2009年）

3つ目は、演劇とコントの中間とも評されるラーメンズの小林賢太郎による戯曲。戯曲集はラーメンズのコント台本を戯曲化したものであり、本書は比較的後年になって上演された「STUDY」「ALICE」「TEXT」を収録しています。「銀河鉄道の夜のような夜」は、公演「TEXT」の一連のコントの集大成とも呼ぶべき名作。宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』をモチーフにし、「TEXT」で貫かれる言葉遊びはもちろん、公演全体で撒いてきた伏線を回収しつつ、感動のラストへと繋がっていきます。戯曲のみでも十分楽しめますが、ぜひ映像とともに鑑賞していただきたいです。

（資料コード：9110479257）

（「銀河鉄道の夜のような夜」の公演映像は、YouTubeのチャンネル「ラーメンズ公式」にて現在公開されているようです。）