2024/11/04
日本で唯一の屋内空中ブランコの施設で夢のサーカス★デビュー【おでかけAAC】
アート・文化施設やモノづくりの現場にでかけてレポートする「おでかけAAC」。愛知芸術文化センターを飛び出し、これまでも新感覚の体験「さわる展示」の南山大学人類学博物館やパフォーミングアーツの創作現場のダンスハウスDaBY(デイビー)などのさまざまな場所を訪れてきたました。
今回はこの秋、愛知県芸術劇場で開催を予定している注目の「サーカス」と「ダンス」の公演にちなんだ、おでかけレポートをお届けします。
- 目次 -
現代サーカスが来日ということで…
この秋、注目の公演がこちら。ストックホルムを代表する現代サーカスのカンパニー、サーカス・シルクールの6年ぶりの来日公演です。
© Mats Bäcker
2024年11月26日(火)開催
無数の白い糸やロープに埋め尽くされた幻想的な舞台の中で、5人のアーティストたちが音楽に導かれながら、時にダイナミックに空中演技のエアリアルや等身大程の一本のリングを使った演技のシルホイール、玉乗り、綱渡りなどの圧巻のパフォーマンスを繰り広げます。
サーカスという響きだけでもワクワクして、「自分もあんな風にできたら...」と子どもの頃に憧れを抱いた記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の「おでかけAAC」はサーカスにチャレンジします!さらに、愛知芸術文化センターのレポートということで、今回はこちらのお二人をお迎えしました。
レポーター:小暮香帆さん(ダンサー)&唐津絵理芸術監督
一人目は、ダンサー・振付家でパリコレクションに出演するなど活動の幅を広げている小暮香帆さん。
Kaho Kogure
© Yuka Uesawa
小暮さんは、国内外で自身の作品を発表しながら舞台、ライブ、メディアなど境界を越えて動きの美学を展開されています。2024年11月30日(土)・12月 1日(日)の愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション2024「間(あいだ)の時間」にも出演いただきます。
そして二人目は、愛知県芸術劇場の芸術監督で「間の時間」のプロデューサーも務める唐津絵理 。
© Atsuko Chiba
国内外のダンスシーンで活躍し、身体表現と向き合い続ける2名が「おでかけAAC」へ行ってきます!
おでかけ先:日本唯一の屋内空中ブランコスタジオ|名古屋市千種区
Fly'n Fit trapeze studio(フラインフィット トラピーズスタジオ)
地下鉄東山線「東山公園」駅から徒歩で約2分。「Fly'n Fit trapeze studio(フラインフィット トラピーズスタジオ)」は日本唯一の屋内空中ブランコスタジオであり、国内でも屈指の高さと広さを持つエアリアルスタジオという非常に珍しい施設です。アメリカ、オーストラリア、またヨーロッパでも大きな都市に行けば空中ブランコがある! というくらい大人気のアクティビティが日本初上陸。世界的なサーカスアーティストであり、シルク・ドゥ・ソレイユのソロパフォーマー・品川瑞木さんがトレーニング動画を撮影した場所としても注目され、「あの白いスタジオはどこ?」と話題に。愛知だけでなく、日本全国、台湾・韓国、アメリカ、北欧、ヨーロッパなどの海外から「日本に来たら、ここのためだけに名古屋に行く」という人も多くいらっしゃいます。
観る側から、やる側へ。サーカスの花形、空中ブランコにチャレンジしてみよう!
本日体験したのは、空中ブランコ120分のクラス。初めての方から上級者の方、お子さまから年配の方まで参加できるオールレベルのクラスです。世界各地どこに行っても一番最初に行う基本的な技、Knee-Hang(ニーハング)からCatch(キャッチ)までを目標にして早速スタート!
動きやすい体にフィットした服装に着替え、セーフティライン(命綱)を装着。ドキドキとワクワクが入り混じる様子の小暮さんと唐津芸術監督。
本日の先生は、スタッフのMami(まみ)さん
Mamiさんは2004年にサーカスパフォーマンスに出会い、パートナーの方と一緒に、2015年に「Fly'n Fit trapeze studio」のオープンに携わったそうです。「苦しくも楽しいサーカスをやっていたら、体重・体脂肪率が落ちていい筋肉がついている、なんて最高じゃん!」そんな思いを共有したくてこの道に進むことを決意。FTP公認ピラティスインストラクターで、身体の理論に基づいた教え方はわかりやすく、「上達するのが早い」と定評があります。
サーカスの魅力って何ですか?
Mami 観る側としては、サーカスは人間が想像しなかったことをやって「こんなこともやるの!?」という驚きがありますが、もともとの起源は遊びなんですよね。大道具さんがいたずら心で跳ねるネットをつくった結果、シルク・ドゥ・ソレイユの演目になったり、遊び心が究極に集まったようなもの。空中ブランコの技の順番はありますが、その組み合わせは無限で人それぞれ、現代サーカスでも新しい技がどんどん生まれます。クリエイションに終わりはありません。「次は何をするんだろう?」と当たり前がないところが面白いですね。
サーカスをやる側の魅力は?
Mami 今まで観るしかなかったサーカスがやれること!ですね。特に空中ブランコは、実は敷居が低いんです。最初の一歩が高く感じて、さらにその次となると無理!って思うけど、やってみるとできるものなんですよ。意外と思ったよりも低い壁を越えているうちにハマります。あとは、大人が拍手をもらえる、送り合う機会って、普段の生活ではなかなかないですよね。ここではそれが自然で、非日常が日常にあるところ。苦労してできた人の頑張りを認めて、みんなで素直に褒め称える環境が私は好きです。
小暮さんと唐津芸術監督がまずトライしたのは、バーに両膝をかけて手を離す、Knee-Hang(ニーハング)です。
\READY HEP!(さぁ行こう)/
スタッフのかけ声に合わせるように身を委ねて、お二人とも一度目の挑戦でクリアしました。そして、次のステップへと進みます。
その次のステップが、なんと実際の空中ブランコにチャレンジ!「え!もう?」という速い展開で、高さ約7メートルのスタート台へやってきました。
すごく高ぁ~い!さぁ、小暮香帆さんの初挑戦です。
続いて唐津芸術監督は…
バーに両膝をかけて手を離すことに無事成功!お二人とも見事です。
Mamiさんのレクチャーを受けながら空中ブランコの本数を重ね、着実にステップアップしていくお二人。
スタッフさんとの信頼関係を築き、身体感覚がつかめてきたころ、本日ラスト1本の空中ブランコ。イメトレは万全で、最大の難関であるCatchに挑みます。
チャレンジをはじめて約1時間弱、はたして…
緊張の一瞬です…
小暮さんのトライ!
唐津芸術監督のトライ!
お二人とも大成功!館内のみなさまからの温かい拍手に包まれました。Knee-Hang Catch達成の認定書が授与され、スタッフの方々とかたい握手を交わして記念撮影も!お二人ともお疲れさまでした。「Fly'n Fit trapeze studio」のみなさま、ありがとうございました。
\体験を終えて/
Mami 空中ブランコの無重力状態では普段のテクニックとは異なりますが、それ以外のときは、ダンスに関わっているお二人はやっぱり身体が綺麗ですね。姿勢も良くて、手を伸ばすところなどで見てわかります。
小暮 なるべく力みがないタイミングでのCatchを考えて、自分がどういう風に動けばスムーズにできるか。誰かと一緒に動いているときにガチっと何かが合う瞬間、間に合わせなきゃいけない瞬間はダンスに通ずるところがあると思いました。無重力の瞬間は時間が止まっているようで、すごく気持ちいいし、そのとき見える景色も結構鮮明に見える感じ。
唐津 無重力のふっと止まる瞬間が初体験で、身体が重力から解放された不思議な感覚でした。最近はダンスとサーカスが融合した作品も増えていています。本日の空中ブランコはサーカスのトラディッショナルなスタイルでしたが、サーカス・シルクール『ニッティング・ピース』はアート色が強めの現代サーカス。また一味違う、新感覚の舞台をお楽しみいただきたいです。
Mami 現代サーカスにもつながる技が他にもいろいろありますので、皆さんぜひまたいらしてくださいね。
2024年11月26日(火)開催
サーカス・シルクール『ニッティング・ピース』
場所/愛知県芸術劇場大ホール(愛知芸術文化センター2階)
時間/19:00〜
料金/SS席 6,000円、S席 5,000円(U25 2,500円)、A席 4,000円(U25 2,000円)、B席 3,000円(U25 1,500円)
※ U25は公演日に25歳以下対象(要証明書)。
※ 4歳以下入場不可。託児サービスあり(有料・要予約)。
※ 推奨年齢:10歳以上
Special thanks!!
Fly'n Fit trapeze studio
場所/愛知県名古屋市千種区新池町3-11-1
電話番号/052-880-7330
Web https://www.fly-n-fit.jp/
Instagram @flynfittrapezestudio
YouTube @フラインフィットトラピーズスタジオ
小暮香帆さんが参加・唐津芸術監督がプロデュースする公演はこちら
「パフォーミングアーツ・セレクション」は、愛知県芸術劇場とDance Base Yokohamaが連携して創作した演目をセレクション形式で上演、国内外の劇場やフェスティバルと連携してツアーを行う企画。 今年度は、4つの新作をA・Bの2つのプログラムで上演。
小暮香帆╳ハラサオリ『 ポスト・ゴースト』(Bプログラム)
デザイン理論や生態心理学を参照した創作手法で注目を集めるハラサオリと、強靭な身体性と繊細な表現力を併せ持ち、独自の存在感を放つ小暮香帆よる新作デュオ。歌舞伎における異性装や幽霊といった性表現の再解釈へ共に取り組む。
2024年11月30日(土)・12月 1日(日)開催
愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama
パフォーミングアーツ・セレクション2024
〜間(あいだ)の時間〜
本公演では、国際的に高い注目を集めるアーティストによる4つの新作を、AプログラムとBプログラムの2つのダブルビルとしてご紹介します。 各々のアプローチでダンスの系譜を探求し、身体表現の新たな可能性に挑む最新作にどうぞご注目ください。
〈Aプログラム〉
岡田利規╳酒井はな『 ジゼルのあらすじ』
島地保武『Dance for Pleasure』
〈Bプログラム〉
鈴木竜×岡本優『TAMA』
小暮香帆╳ハラサオリ『 ポスト・ゴースト』
場所/愛知県芸術劇場小ホール(愛知芸術文化センター地下1階)
時間/11月30日(土)14:00〜、17:00〜
12月1日(日)13:00〜、16:00〜
料金/1日通し券:一般 7,000円(U25 4,000円)
1回券 各回:一般 4,500円(U25 2,000円)※AプログラムまたはBプログラム
※【U25】は公演日に25歳以下対象(要証明書)
※ 1日通し券は、各日A、B両プログラムをご覧いただけます。
※ 3歳以下入場不可。11/30のみ託児サービスあり。(有料・要予約)「鑑賞サポート」をご覧ください。