2025/05/07

おでかけAAC 愛知発の取り組み!標高2,832mの音楽会

劇場の専属アーティスト

 

みなさんは、劇場に足を運んだことがありますか?足を運んだ多くの方が、劇場で何かを鑑賞したり、ワークショップに参加したりと、イベントを通じて、芸術体験をされていることと思います。これらの体験のほとんどは、アーティストたちの活動によって、作品として舞台を通じて届けられます。ただ、劇場は「観る」だけでなく作品を「創る」場所でもあります。そこには、アーティストが居て、地域から世界まで幅広い領域で創られた作品を上演します。

左から酒井はな、島地保武、三東瑠璃、Null(岡田玲奈、黒田勇)


今回は、2025年4月から愛知県芸術劇場に劇場専属のダンスアーティスト就任にあたり、県内の公立劇場に所属したアーティスト活動をご紹介します。

音楽家が山登り!?

みなさんは音楽が好きですか?それとも自然が好きですか?
今回は、愛知の公立劇場専属アーティストを務めた音楽家が、日本で初めて山小屋で開催するコンサートに密着。
暖かくなるはじまりの季節。劇場で作品を鑑賞したり、山に登って自然と触れ合ったりと、新しいことにチャレンジするきっかけになればと思います。

さかのぼること2024年初夏。情報を提供してくれたのは長久手市にある公立劇場長久手市文化の家のスタッフ福島梓さん。

福島さん:長久手市文化の家・専属アーティストとして創造スタッフ(音楽担当)を3年務めた小田智之(おだ・ともゆき)さんら5人による名古屋市を拠点したポップスバンド、「スーパー登山部」がある場所でコンサートに出演します。新しい芸術体験の在り方にもつながると思います。愛知県のアーティストとしても珍しい取り組みなのでぜひ取材をお願いします。

 

「長久手市文化の家 創造スタッフ」とは…

提供:長久手市文化の家

劇場で創る鑑賞公演や芸術の普及啓発のイベントに携わる専属のアーティスト。音楽、演劇、ダンス、美術、(情報)など、ジャンルの幅は広く、劇場の自主事業の企画立案から出演まで幅広く携わっています。これまでに所属した歴代アーティストは約50人。東海圏を中心にコンサート活動している石川貴憲さん(サックス)や、大学で教鞭を執る豊永洵子さん(ダンサー)など、芸術活動に携わる人たちを輩出してきました。現在は6名(音楽2、美術2、演劇、舞踊)の創造スタッフが所属しています。詳しくはこちら

なるほど。芸術の新たな取り組みとは面白い。「ある場所」が意味深ですが、行ってみましょう!
ということで、今回のおでかけAACは!「スーパー登山部」のコンサートに同行しました!

 

スーパー登山部

山岳会所属コンポーザー小田智之のオリジナル曲を演奏するため2023年1月結成。その名のとおり登山活動とバンド活動を並行して行い、足腰を鍛えながら精力的に活動している。愛知県内の芸大に通う現役大学生Hina(Vo)、KADOMACHIやソロ活動も盛んな、いしはまゆう(Gt)、名古屋のほとんどのアーティストを支えるベーシスト梶祥太郎(Ba)、中村佳穂BANDやBialystocksなどのサポートをするドラマー深谷雄一(Dr)に、サポートメンバー小田智之(Key)を迎えてお届けしている。シンプルさと歌の響きに焦点を当てたニューシングル「頂き」を2024年9月25日(水)にリリース。

スーパー登山部 YouTubeチャンネルより - 頂き (Live from “2024年登山の旅Vol.1” 2024.3.2@長久手市文化の家 森のホール)


2024年3月に長久手市文化の家で開催された小田さんの創造スタッフの卒業公演を機に、スーパー登山部は結成されたそうです。これまでコンサートの会場はライブハウスや劇場などの街中でしたが、今回の場所はある種、持ち味を活かせるコンサートになるらしい。愛知発の新しいアートの在り方も見えてくるのではないでしょうか。

 

白馬岳の登山へ! 日本最大級の山小屋「白馬山荘」を目指す


北アルプス・白馬岳頂上直下の標高2,832mに位置する日本最大級の山小屋「白馬山荘」(長野県北安曇郡白馬村)

山旅プラン

乗鞍岳(白馬連峰)・船越の頭・小蓮華山(大日岳)・白馬岳・丸山 / MAPさんの乗鞍岳(白馬連峰)丸山(黒部市)白馬岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

標高2,832mの白馬山荘までは、登山をしないと辿り着くことができません。有名な登山道となる大雪渓ルートは、大雪渓の一部崩落により、安全上通行止め。栂池高原から白馬大池経由のルートで、登山口から山頂まではおよそ8時間の道のりです。みんなで野を越え、山を越え、目的地の白馬山荘を目指します。

\待ってろよー! 白馬岳!!/

メンバーは左から、深谷雄一さん(Dr)、梶祥太郎さん(Ba)、Hinaさん(Vo)、いしはまゆうさん(Gt)、小田智之さん(Key)。
今回はどうぞよろしくお願いします。

 

驚くべきことにメンバーは自身の登山グッズに加え、それぞれの担当楽器を背負って運びます。ボーカルのHinaさんはベーシック装備、いしはまさんはアコースティックギター、梶さんは山仕様のベース、深谷さんは一部のドラムセットとシンバル、小田さんは88鍵盤のキーボードと重装備! 各自慣れた様子で荷造りし、颯爽と出発します。スピーカーや、マイクなどの機材は、白馬山荘のご厚意でヘリコプターによる運搬。歩荷さんや総勢15名のコンサートスタッフも手伝って、150kg以上のライブ機材を運びました。

 

小田さんのキーボード(約20kg)と
スタッフの登山リュック(60L)を並べてみると、
その大きさは一目瞭然!

愛知から来た登山者さんからも機材を背負ったバンドメンバーたちは注目の的。道中ではたくさんの方に話しかけられ、いただいた応援の言葉が活力になります。

Interview

ここで、スーパー登山部にいろいろ聞いてみました。白馬山荘ライブと、白馬岳への登山に挑戦する彼らの音楽と山への思い。ここに辿り着くまでのストーリーとは...。
 

今回のコンサート実施に至った経緯は?
 
小田 以前、僕が白馬山荘に行ったときに、今回の会場の「スカイプラザ白馬」に自由に弾ける電子ピアノが置いてあって弾かせていただいたんです。そうしたら、盛り上がっていた様子を見たスタッフさんと「ライブができたらいいですね」と、やり取りが始まったのがきっかけです。前例のない中で、機材面・運搬面で試行錯誤しながら進めました。僕はもともと登山をしていたんですけど、他のメンバーは登山歴1年にも満たないビギナーだったので、トレーニングと登山を重ねました。ちなみに、スーパー登山部という名前は、はじめはノリでした(笑)。音楽性に共感して集まったメンバーでライブをするとなったときに、LINEのグループ名がスーパーバンドだったので、僕が登山好きだったことを知っていた深谷さんが「スーパー登山部でいいじゃん」って。「それだったら、登山をしないといけないよ」と言ったら、みんなが「やりたい」ということで、今に至ります。

 
いしはま 
小田くんにバンドに誘ってもらう前から「登山をやってみたい」という話はしていました。ようやく登れるようになって。

  
   


梶 
僕はバンド結成前に小田君と1回登りましたね。

 


    


深谷 
もともと音楽と登山は結びついていませんでしたが、夏山を登って、山の上からの景色を見たら画が強くて、「これはバズるぞ」という未来が見えました(笑)。



Hina 
私は初めての中央アルプスの木曽駒ヶ岳の登山帰りに雹(ひょう)と雷に襲われ、大変な目に遭いました。でも景色が素晴らしくて、意外としぶとく次も参加してましたね。



みなさんは今、山はお好きですか?


全員 ”
山”も”音楽”も好きです!



Hina 
“山だから”という理由で集まったバンドではないですが、気付いたら山じゃないといけなくなってきていますね。スーパー登山部って名前も1回で覚えてもらえるのも嬉しいです。



小田 
山って魅力的な存在で、僕たちも惹かれてどんどん引き寄せられているんだと思います。僕らは音楽も山も好きで活動していますが、ルールやマナーもあって、いろいろな人が連携されて、守り継いでいる景色・環境も大切にしたいと考えています。「美しい山の中で、どういった形で音楽を届けたらいいのか」自然保護レンジャーさんや国立公園の方にアドバイスをいただいたりして、今回のコンサートについても準備をしてきました。むやみに音を出さないなど気を付けながら、登山家にも愛されるバンドを目指しています。


白馬山荘ライブが2日後に迫る、今の心境は?


梶 
めっちゃ楽しみです。



 


いしはま 
今回に向けてずっと準備をしてきて、天気も気にしてきたので、やっと登れるというだけでも感慨深いです。「いよいよやるんだな」と。


Hina 私は中学校の合唱コンクールや合唱部の部活で、愛知県芸術劇場のステージに立ったことがあります。劇場やライブハウスは反響があるから、演奏の音がまとまって自分の声とともに前に届けられるけれど、ここでは音がバラバラに聴こえてくるので、ちゃんと届けられているのかな...?ってバランスを調節しながらやっています。
 

山の上での演奏の魅力は?
 
小田 「山で聴く音楽って、すごく特別なものだよね」と、山で出会った人が言ってくれたことがありました。地上とはまた違うものになるんじゃないかなと思って、この活動をはじめました。山は自然に囲まれて、空気もおいしいし気持ちいいです。スーパー登山部の音楽は、自然との相性がいいものを作っていきたいとなんとなく意識しているので、山の上で演奏できたらいいなと。山を好きな人に音楽のことを、音楽を好きな人に山のことを伝えつなげられたらと、思っています。登山をしているときに楽器をやっている人にはお会いしたことがありますが、楽器を持ち歩く人は見ないですね。白馬鑓温泉小屋の温泉でウクレレを弾いているおじさんはいました。自分も鍵盤ハーモニカを持ってセッションさせていただいて、めちゃくちゃいい時間でした。


小田 今回演奏する中で、「頂き」という曲はちょうど1年前の8月2日に山小屋に来て、白馬の景色、特に日の出を見たときにインスピレーションを受けて完成しました。山が好きな人に届くような歌になっている思い出深い作品です。バンドメンバーみんなで集まって、山好きの人のいる空間で演奏できることが楽しみです。

Hina それ、ちょっと感動した...。今日、朝日を見ていたときに「頂き」を歌ってと言われて歌ったんですけど。歌詞の中に、「オレンジに包まれて 新しい朝が来る 茜さす向こう側」という描写があって、やっぱり歌をうたう人間として歌詞を考えながら歌うんですけど、山の上で歌詞を考えるとグッとくるというか。


小田 
グッときて歌えなくなるかもしれないね(笑)。



 

 

 

登山スタート

日は明けて翌日、山のフレッシュな空気を吸って、朝のラジオ体操でウォーミングアップ!
栂池自然園の登山口からいざ出発!登山装備をしっかり整えて、天狗原〜白馬大池〜白馬岳のコースに挑みます。

 

\行ってきます!/

 

 

登山口〜天狗原周辺

登山口から約1時間半のあたり。長い急登を経て、木道を見た瞬間には安定した足場にホッと安心します。

平坦な木道をテクテク歩いて、天狗原へ。

登山道にはカキツバタや綺麗な花がいっぱい。

視界が開け、天狗原に到着。

 

天狗原〜乗鞍岳(白馬連峰)

天狗平から約1時間。さらに登ると、なんとそこには、雪渓が。

雪渓や湿地帯などの変化に富んだ乗鞍周辺。

 

登山道はゴロゴロした岩場が多く、足に負担がかかります。

登山経験の豊富な小田さんが先頭を歩き、グループに声をかけながら登山道を進みます。

白馬大池周辺

白馬大池は、標高2,300mの火山堰止湖の湖畔。
雷鳥坂では、その名の通りときおり雷鳥の姿を見ることができる、豊かで美しい自然に囲まれています。

洋々と水をたたえる白馬大池。

 

水の中には、クロサンショウウオ(準絶滅危惧種で、長野県では天然記念物に指定)がたくさん見られます。

 

 

白馬大池〜船越の頭

白馬大池の真横から伸びる坂を登り、稜線を越えていくと到達する「船越の頭」。この先には新潟県最高峰の「小蓮華山」を望む壮大な風景がある。

小田さんの余裕の表情と足取りは、さすが山岳会会員です。

標高2600mを超え、船越の頭をクローズアップすると...。

 

順調に高度を上げていくスーパー登山部の姿が。

 

船越の頭〜小蓮華山(大日岳)〜白馬岳

爽快な見晴らしが最高!まさに絶景そのもの、気持ちいい稜線歩き。

 

白馬岳の山頂まであと少し!

 

最後の力を振り絞り、一人ひとりの気持ちを合わせて足を早めます。

 

雲海を背景に、登山ガイドの横山さんのエールを受けて...。

 

白馬岳登頂、見事に達成

山頂の方位盤にて記念撮影。

白馬岳と白馬山荘!遠い道のりでしたが、北アルプスの景色は素晴らしいものです。

約10kmの長い行程を経て、約1,700mを上り着きました!やりきった感満点のスーパー登山部が清々しい青空に映えます。

Interview

 

登頂おめでとうございます! 今のお気持ちをお聞かせください。


 

深谷 やっと着いたという気持ちと、景色が最高です。無事に来れて良かった!




Hina 
きつかった...けど、綺麗。





いしはま 
僕は雨男ですけど、僕がここにいないんじゃないかってくらいの晴天で。晴天で登るのがこんなに気持ちいいなら、いくらでも登れますね。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういう嬉しさです。



梶 
本当に疲れた...。冷たいビールが飲みたいです(笑)。





小田 
今日は途中から結構大変でしたが、歩きながら準備してきたことを思い返していました。1年前に来たときから構想があって、みんなで「じゃあ行くか!」みたいな感じで、改めて計画を立て始めて...。

 


Hina 
「山の上でライブって面白そう!」から始まりましたね。





小田 
スーパー登山部の原動力は「面白そう!」という好奇心とか、誰もやっていないことに挑戦するのが好きですね。

 

小田さんは鍵盤ハーモニカを構えてパチリ。
※登山のマナーを守り、音は出していません。

みんなで機材を背負い、登った白馬岳にメンバーの喜びもひとしお。ではありますが、スーパー登山部の挑戦はこれからが本番です。明日はいよいよ白馬山荘ライブ開催!

 

北アルプスの大パノラマ! 白馬山荘ライブで唯一無二の音楽体験

登頂から一日経っての朝日。太陽もスーパー登山部の成功を応援しているようです。

 

「スカイプラザ白馬」は宿泊棟とは別の棟にあり、コーヒーやケーキ、生ビールを味わいながら、流れる雲をゆったりと眺める贅沢なひとときを過ごせます。

スカイプラザ白馬からの景色。手前に杓子岳、奥には立山連峰が見える。

本日はフリーライブのため、どなたも無料でパフォーマンスの鑑賞が可能。会場となる雲上のレストラン「スカイプラザ白馬」は、大きな窓から目の前に広がる北アルプスの峰々や杓子岳、白馬鑓ヶ岳の大パノラマが見事です。

白馬山荘を経営する株式会社白馬館 取締役の松沢芙美さんにお話をうかがいました。

実家が日本で初めての商業山小屋をつくり、現在も白馬周辺の山小屋・スキー場を経営。「山小屋でできることを探っていければ」と松沢さん。

 

Interview

今回のコンサート開催までどのように進められましたか?

松沢 小田さんが白馬山荘に来られて、電子ピアノを弾かれたところからご縁が始まりました。その後日、運営スタッフさんたちと話し合って「やってみましょう」ということで、協力しながら今回に至ります。会場は、私たちが管理する建物内のレストラン「スカイプラザ白馬」で、宿泊棟と分かれて独立しているため実現できました。お客さまに催しを周知したうえで、ライブを観たい方はご参加いただき、観ない方も別棟のお部屋でゆっくりお過ごしいただけるよう配慮しています。これまでにここでは、歌声喫茶ともしびの皆さんをお招きした出前歌声喫茶や、シンガーソングハイカー加賀屋はつみさんが来られた際にサプライズのライブコンサート等、音楽イベントを開催してきましたが、グループ編成でスピーカーやアンプなどの音響機材を入れた規模感のライブは、開業から100年以上の歴史の中で初の試みです。

 

スーパー登山部の白馬山荘ライブに期待することは?

 

スカイプラザ白馬にある電子ピアノ


松沢 
白馬山荘をご利用されるお客さまは、山を目当てに来てくださる方がほとんどです。天候によっては期待していた景色が見られないこともあり、その時に他にも楽しみがあるといいと思いますし、ライブを目的に来ていただいた方が、山の魅力を感じて「来てよかった。また来たい」と思っていただけたら嬉しいです。山を新たに楽しんでもらうきっかけの一つとして。また外国人のお客さまも増えてきているので、音楽であれば言葉の壁を超えて一緒に楽しんでいただけるのではと期待しています。来年以降も定期的に開催していけたらいいですね。

 
さぁ、まもなくコンサートは開演。美しく雄大な山並みに見守られ、サウンドチェックも終えて…。
 


宿泊客らを含め約200人が集まりました。山小屋での演奏は初めてで、2時間前からスタンバイする人も。

 

そして、18時半の夕日が沈み始めた頃にスタート!

LIV YouTubeチャンネルより -スーパー登山部 / Super Climbing Club | One shot One story

 

劇場やホールとは異なって、夕暮れから夜へと外の情景が刻一刻と変化。自然と調和するパフォーマンスで、山を愛する観客を魅了します。

 

 

白馬山荘でしか味わえない空間と時間を、ここに集まった全員でともにして拍手喝采。最後まで一体感溢れる公演となりました。

 

\観客のみなさまからの声/

愛知県芸術劇場にも普段からお越しのお客さまと小田さんの握手

  • 愛知県芸術劇場で普段からコンサートを聴いたりしています。音楽も山も好きです。山にも登りたいし、コンサートも聴きたいしと思って、目標ができてしばらく頑張れました。普段のホールやライブハウスと楽しさは変わりませんでしたが、山の景色と登ってきたみなさんの一体感はいつもと違うと深く感じました。(40代女性)
  • 山登り自体が非日常の行為ですが、さらに+αの音楽があり、普段はあり得ない山小屋ライブにものすごく感動しました。愛知県に住んでいますが、ホールやライブハウスには訪れたことがないので、また行きたいなと思います。(50代男性)
  • 名古屋のすごいバンドです。夕焼けがどんどん下りてくるずっと綺麗な景色を見ながら演奏を聴いて、「こんなに恵まれたことはないな」と思いました。(20代女性)

 

白馬山荘から外へ出ると、ご褒美のような満天の星々が夜空に浮かびます。

 

DAY4 白馬岳下山

ライブの余韻冷めやらぬ翌日、全員で無事に怪我なく下山できました。帰宅するまで安全第一。

\みなさま本当にありがとう山でした/

「いいライブができて、無事に下山できて良かった」という安堵&疲労の表情のスーパー登山部に、締めくくりのインタビューをしました。

 

Interview

ライブ中でそれぞれが1番グッときたタイミングをお聞かせください。

 


いしはま 
最後の曲「遠き山に日は落ちて」の前に、Hinaちゃんが曲の流れを作るために「後ろを見てください」と言って。自分はずっと目の前のお客さんを見ていたから後ろを知らなくて。見たら、めちゃくちゃ綺麗な...。

 




Hina 
ちょうど日が落ちる頃でした。


 

 

梶 
いつもと同じように1曲目を演奏し始めたときに、それを聴くお客さんの「やっとここまで登って来れた」みたいな気持ちと、「やっと本番がきて演奏できた」みたいな自分たちの気持ちがリンクしている感じで。「同じ道を辿って来て、ここに来れて良かった」という空気感に包まれていたのが結構グッときました。

 

山ファンに向けての音楽の魅力、そして音楽ファンに向けての山の魅力を。
 
小田 そうですね。人によっては「山で音楽はいらないよ」という人もいるかと思うんですけど。自分は一人で歩いてるときにイヤホンで音楽を聴いたりすると、また景色が全然変わって。音楽は見えないし形のないものなんですけれど、音楽からそうやって広げることもできるし、もともと見えている景色にすごく作用するものでもあるかなと感じます。だから僕の場合はですけど、音楽のおかげでいろいろな景色とか見えるものが変わったので、別に山じゃなくても普段見えている景色の中で、音楽をちょっとそこに添えてみたりすると何か感じることがあるかもしれません。音楽好きな人に向けての山の魅力は...音楽好きの方にはインドアな人も多いと思うので、無理強いはしないのですが、バンドきっかけでいろいろな人と山の話をすると意外と興味を持っている人もいることに気づきました。今後ミュージシャン仲間と一緒に登山するような機会も作れたらいいなと思っています。

Hina それこそ、本当に散歩レベルで行ける小さな山に登ってみてほしいですね。そこで音楽を聴いたりとか、自分で足を運ばないと見られない景色を味わってもらうと、ちょっとずつ好きになってくれるんじゃないかな。メンバーの中で一番私が素人に近いから、もともとは疲れるし...って思っていたけれど、結局、車では行けなくて自分で行ったからこその日常とは違うロケーションがすごく気持ちよかったし、ちょっとまたやりたいなと思うようになりました。今でも虫とか無理なんですけど、慣れて対応できるようになります(笑)。
 

 

スーパー登山部、長久手市文化の家のみなさん、『AACタイム』初の密着レポートありがとうございました。これからもご活躍を応援しています。2025年5月には御在所岳(三重)、7月には名古屋、8月には再び白馬山荘(長野)でコンサートが決定!詳しくは公式WEBサイトをチェックください。

2025/5/10(土)GOZA TOP FES

 


▲御在所岳 頂上(三重)
2025/8/20(水)~24(日)
▲白馬山荘(長野)



Special thanks!!

スーパー登山部
Web https://superclimbingclub.bitfan.id/
Instagram @sclimbingclub
X @sclimbingclub

YouTube @superclimbingclub

 

聞き手・撮影/愛知県芸術劇場 企画制作第二グループ 武石進衞(愛知県文化情報センター『AACタイム』)
編集/村瀬実希(MAISONETTE Inc.)
※ 掲載内容は2025年5月7日(水)現在のものです。

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